素晴らしき♪おじいちゃん、おばあちゃん♪泣いて!笑って!

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【孤独と闘う老女の本音】

 東京で家族と暮らす男性からの依頼。

「一人暮らしをしている母の話し相手になってやってほしい。二人の子どもが受験をひかえているので、現状、母に会いに行ってやれない。母の周囲には亡くなった父の親戚が住んでいるけれど、ほとんど交流はないようです。ときどき一人で散歩には出ているようですが、1日誰とも会話をしないというのは、どうなのだろうと考えたら胸が詰まってきた」とのことでした。

 早速、依頼人様のお母様のもとへ訪問しました。

 最初、お母様は私の訪問を快く思ってはいなかったようで「息子から電話はもらいましたが、私は元気に暮らしています。心配は要らないと息子に伝えてください。」と、玄関先で話されました。しかし、その眼差しの奥から発する悲しさを感じた私は、無遠慮とは思いましたが「息子さんからの依頼をうけているので、少しの時間でもいいのでお話しさせてもらえませんか?」とお願いしてみました。

お母様は、困ったようすを見せていましたが少し考え「まあ、せっかく来たんだからお茶でも飲んで行って。わたしのことは気にしなくていいから(話し相手)」と、言ってくれました。

お母様は、お花が好きなようで、いろいろな鉢植えのお花を育てていました。お母様は言いました「昔はもっとたくさんの鉢植えがあったんだけど、今は半分以下になってしまったのよ。世話をするのも疲れてきてね。誰に見せるわけでもないし」と、ため息をつきました。そのため息を打ち消すように「いやいや、元気なんだよ。気にしないでおくれ。年をとると体力的に疲れるのは、当たり前だから」と、慌てて言った後は、お花のこと、息子さんの幼少のころの話し、料理の話しなどの何気ない会話を楽しんでくれました。終始、笑顔でお話しをされていたお母様ですが…突然、顔を曇らせ

「だけどね。誰とも話をしないで1日を終えて布団に入ると、涙が流れてくるときもあるのよ。でも、私って欲張り人間だから、少しでも誰かと話をすると、また話をしたくなってくる…でも、私の都合ばかり言うわけにもいかないでしょ?こちらが話をしたいなと思っても、断られることもある…そんなときは、悲しくなるものね。気が小さくて欲張りな年寄りですよ。美味しいものを食べたら、またすぐ食べたくなっちゃうタイプね私は」と、曇り顔は晴れやかな顔になり、ペロッと舌を出し笑った。本心を少し出せたことで安心してくれたのかな?と、私は嬉しくなってしまいました。

それから最初は渋っていた写真も撮らせてくれました。「息子には、寂しそうだったなどと、口が裂けても言わないでくれ!同居しようと言いだしかねないから。私は、寂しくないとは言わないけど、一人暮らしの楽さの方を優先したいからね」

これこそが彼女の本音なのだと思う。「孤独は嫌だ!けれどもシングルライフは好きである」

 帰りに「またね」と言ってくれたお母様の一言で、私も元気をもらい帰路につきました。

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